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不変のテーマ「人を知ること」
バイクを走らせているのは「人」に他ならない。その小さな1馬力ほどの力を効率的に発揮させるために、バイクは軽さと強さを兼ね備えて進化し続ける。しかし、どんなに高性能なバイクであってもライダーにマッチしていなければ、性能を発揮することはできない。したがって、その開発には製品に対する技術的アプローチだけでなく、乗り手である「人」そのものを知ることが必要不可欠である。ブリヂストンでは、そんな人と自転車の最適な関係、「マン・マシンマッチング」を科学的に解析するため、94年に独自の研究施設を社内に設立した。ひいてはそれが「勝つためのバイク」アンカーを、98年に誕生させることにつながる。そして、この12年間アンカーは、科学的解析と人の感性を融合させ、ライダーの能力を最大限に引き出すためのバイクを作り続けてきた。

人の感覚を数値化する
アンカーの開発思想の根底にある「選手を知ること」。そこには2つの要素がある。まずは選手自体の体を探ることだ。ペダリングスキル、ライディングポジション、最大酸素摂取量などの身体測定を、社内の研究施設である「アンカーラボ」において科学的に解析する。それらのデータは数値に置き換えられ、効率的なライディングにおけるフォームとフレームジオメトリーの追求はもちろん、インプレッションをはじめ選手の感覚を読み解く上でのベースとなる。

もう1つは選手の言葉を解析すること。製品開発においてインプレッションをつとめるアンカーチームの選手、「かかりはいいが、後半脚にくる」、「ゴールスプリントまで脚を残せないか」というように、彼らが体感して発する言葉は独特だ。「高剛性」という言葉でも、ライダー、開発者によってその解釈は異なる。大切なのはその言葉をバイオメカニクスによって具体的な数値へと落とし込む作業だ。以前はフレーム職人や開発者、そしてライダーの経験やカンに頼っていた曖昧な解釈を、科学的解析によって数値として正確に解き明かす作業を繰り返す。これこそが、より高度な製品開発を可能とし、最先端のバイクを製作するには欠かすことができないと、アンカーでは信じている。

正確な応力解析がフレーム性能を最大限に引き出す
フレームの理想はライダーの力を100%推進力に換えることである。そこでキーワードとなるのが応力だ。走行中フレームにはペダリングやコーナリングによって様々な方向から大小の力がかかり、ねじれを出しながら進んでいる。そのねじれをどうやって制御するかでフレームの善し悪しが決まるといって過言ではない。ブリヂストンでは90年代初頭に「Neo-Cot」(ネオコット)フレームを開発したが、それに際して応力の基礎研究を行なった。

当時、フレームに必要とされる剛性や応力は、フレームビルダーの経験などによって“何となく”分かっていたが、それは正確な数値として分析されていなかった。そこで走行中のフレームにかかる応力を有限要素法によりコンピュータで解析。これまで最適とされてきた丸型断面のチューブにはムダが多いことを突き止めた。そして、従来からのフレーム作りの経験と融合させた「最適形状理論」を構築してNeo-Cotが誕生した。

また、当時のNeo-Cotフレームは、剛性を3種類から選ぶことができた。これは、ライダーに最適な剛性が1つではなく、体力レベルや好みによって異なるという考えからだった。その先端的思想は、昨年発表された7つの剛性レベルを選べるオーダーカーボンフレーム「RMZ」が提唱する「パーソーナルマッチング」の原型とも言えるだろう。

科学的解析が必要不可欠なカーボン素材
現在、スポーツバイクのフレームとして主流のカーボン素材。その優位性は軽さと振動吸収性の高さ。そして、フレーム成型の自由度が高く、素材の組み合わせによって剛性のコントロールをしやすい。金属素材では限界があった部分的な強度アップや剛性の調整が可能なため、レーシングフレームの製作には最適な素材だ。この先端素材の魅力を最大限に引き出すには、科学的なアプローチは必要不可欠であり、科学的手法で開発を進めてきたアンカーにとって、それは格好の素材に他ならない。

その基礎研究は、既存のスチールフレームを用いて、国内トップ選手による実走データを計測。それを元に剛性別に数タイプのフレームを試作し、実走行時のひずみが計測された。フレームのたわみの数値と共にライダーのインプレッションを解析して、フレーム各部の最適な剛性を決定させた。

さらに、フレームにおいて各チューブがどのような役割を果たすかの寄与率を追求するため、「L18表」と呼ばれる受験も行なった。カーボンフレームを18本作り、横剛性やねじれ剛性を科学的に解析することで約4000通りのチューブの組み合わせをシミュレーション可能とした。これにより現在は、チューブのどの部位にどれだけカーボンを積層すれば、どんなレベルの剛性が得られるかを比較的容易に計算できるようになっている。

こうした最適構造解析技術により、ライダーが求める剛性を的確に導き出すのはもちろんのこと、従来の試作と実走テストを繰り返す、トライ&エラー型の製品開発でかかっていた膨大な時間を短縮することにも成功している。この時間の短縮は、さらなる開発時間を作り出し、さらなる製品のパフォーマンスを向上させることにも繋がっている。

最新カーボンモデルであるRHM9RSの開発時にも、剛性別に数種類のフレームが用意され、選手のインプレッションが実施されている。ファーストインプレッションでは多くの選手に好評だった高剛性タイプも「後半で脚にくる」という意見が聞かれ、調整された結果、最終的には現在のレベルが採用されている。

科学的解析と先端のエンジニアリングによって作り出されるアンカーのプロダクツ。開発の裏には、常に選手とのやりとりがあり、彼らとのコラボレーションがあるからこそ、高性能なバイクが生み出される。ライダーである「人」が何を考え、何を欲しているかを探求し、科学的解析により数値化することでフレーム開発に必要な「核心」が見えてくる。そのトライは不変のものとして続いてゆく……。
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